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キング・クリムゾン 50th
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クリムゾン50周年記念企画「キング・クリムゾン50」

プロローグ

1969年1月13日、
ロンドンのフラム・パレス・カフェでロバート・フリップ、マイケル・ジャイルス、イアン・マクドナルド、グレッグ・レイクそしてピート・シンフィールドがジャイルス、ジャイルス&フリップを母体に発展した新バンドのリハーサルを開始しました。

新しいバンド名は”キング・クリムゾン”。
プログレッシヴ・ロックのみならず、ロックの歴史にその名を残す名バンドがこの日誕生したのです。

2019年、キング・クリムゾンは結成50周年を迎えました。
2014年に現行ラインナップで復活したクリムゾンは毎年ツアーを行い、今年も50周年記念ツアーを行うことが既に発表され、1995年以来となるロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール公演ほかヨーロッパ、北米公演の日程が既に決まっています。

キング・クリムゾン50周年を祝し彼らのレーベル、ディシプリン・グローバル・モービル(DGM)では様々なオーディオおよびヴィジュアル商品、記念グッズ、イベントを企画していますがその第一弾として2019年1月13日より「キング・クリムゾン50」と題したシリーズ・イベントがスタートします。

DGMの社長でプロデューサーでもあるデイヴィッド・シングルトン監修のもと1月13日より50週間、毎週1曲ずつキング・クリムゾンのレア・トラックをストリーミングで公開していくという企画です。膨大な音源アーカイヴを有するDGMの保管倉庫を総ざらいし、「キング・クリムゾン50」でしか聴けない貴重なトラックをピックアップ。曲の背景やエピソードを紹介するデヴィッド・シングルトン(時にはメンバーがシングルトンに代わり曲紹介することもあるとのこと)の音声コメントとともに公開していくという企画です。

WOWOWエンタテインメントでは日本のキング・クリムゾン・オフィシャル・ホームページで毎週シングルトンの音声コメント訳を添え、「キング・クリムゾン50」楽曲を紹介して行きます。
記念すべき第1回は1991年当時の所属レーベル、ヴァージンが企画したボックス・セット『フレーム・バイ・フレーム』のラジオ・プロモーション用に制作された「21世紀のスキッツォイド・マン」の幻のラジオ・エディット・ヴァージョン。

この曲を皮切りに毎週貴重な音源を公開して行きます。
是非毎週チェックしてください!

ハッピー・バースデイ! キング・クリムゾン

#05 : 「Inner Garden」

2019.02.11 公開


【コメント:日本語訳】
『THRAK』ボックスの『JurassiKc THRAK』に収録されている「Inner Garden」完全版。

キング・クリムゾンのボックス・セット制作は慣例に基づいています。数多くのセッション・テープを聴きあさり、バンドがスタジオで残した、様々な興味深い別ヴァージョンを探すのです。

それらを編集して、あたかも我々が、曲が書かれ、演じられた現場にいたかのようなオーディオ・ドキュメンタリーを作成します。

『THRAK』ボックス・セットもまさにそうでした。「Inner Garden」という曲も、それが書かれ、レコーディングされていく様が段階的に残っていました。バンドがレコーディングしている最中はテープを回しっぱなしにしていたからです。

特にこの時の演奏は、ずっと私の脳裏に焼きついていました。

おもしろいのは、『THRAK』を知っていても、「Inner Garden」は必ずしも目立つ存在ではないこと。「Dinosaur」「Sex Sleep Eat Drink Dream」「Vrooom」「B’Boom」「Thrak」「Walking On Air」など、素晴らしい曲ばかりですから。

そして興味深いのは、アルバムでは、「Inner Garden」は1曲ではなく、2曲に分かれています。当時、私はロバートと共にアルバム制作に携わりましたが、なぜ2曲に分かれたのか、まったく覚えていません。

ただ、わかっているのは、当時のレコーディング・セッションから残されたこの宝物では、ロバートとエイドリアンは1曲として演奏しています。私個人としては、アルバムの2曲バージョンよりこちらの方が思い入れが強いかもしれません。

そう考えると、これは完璧なアウトテイクです。
形は異なりますが、優れた価値があります。

というわけで、1994年「THRAK」のレコーディング・セッションより、「Inner Garden」の初期スタジオ・ヴァージョンをお楽しみください。


#04 : 「Law of maximum distress」

2019.02.04 公開


【コメント:日本語訳】
「ザ・ロウ・オブ・マキシマム・ディストレス(最大苦難の法則)」と「詭弁家」

このエピソードは、アーカイヴの中でも特にお気に入りです。

どこから始めましょうか。

「The Law of Maximum Distress」は1973年11月にチューリッヒで披露された即興ピース。
19年後の1992年に、私とロバートとで、『THE GREAT DECEIVER』ボックスセット用にミックスしました。

その時すぐ明らかになったのは、テープが途中で切れていることです。まず前半の6分半があって、別のテープに最後の2分半が入っていました。

「The Law of Maximum Distress」というタイトルは、すなわち、「悪いことは一番起きて欲しくない時に必ず起きる」という意味でもあります。

10年ほどは、まさにそう思っていました。なぜなら、テープが切れる瞬間こそ、インプロヴィゼーションがクライマックスを迎える時だったからです。

でもその後、コレクターズ・クラブで完全再現するために、1973年のこのコンサートを見直してみることになりました。

アレックス・マンディと二人でブートレグを聞いていると、“失われた”部分が出てきたのですが……

それは、まったく別物、『STARLESS〜』に収録されている「The Mincer」であることが一瞬にして判明しました。

想定外でした。

テープが切れたのではなかった。バンドがアルバム『STARLESS AND THE BIBLE BLACK』を準備する際、ミドル・セクションをまるまる切り抜いてスタジオに持っていき、そこに演奏を重ねて「The Mincer」を完成させたのです。

つまりこれは、マーフィーの法則でも“最大限の苦悩の法則”でも何でもなく、完全なる自傷行為だったのです。

となると、修繕も可能なはず。

でもそれは、残念ながら、切り取られたパートを復元するという簡単なものではなかったのです。なぜなら、「The Mincer」のマルチテープは、我々がアーカイブに所有しない、数少ない一本だったからです。

そのため、代案を考えました。

コレクターズ・クラブ41では、ブートレグ音源を欠損部分に当てて使用しました。これで、コンサートで演奏されたとおりの即興を再現することができます。ただブートレグ部分の音質が劣るため、満足とは言えない出来でした。

『STARLESS〜』ボックスセットでは、違うアプローチを試しました。

1993年にロバートと二人でミックスした「The Law of Maximum Distress」パート1と、『STARLESS〜』に収録されている「The Mincer」をデジタル編集し、そのあとに「The Law of Maximum Distress」パート2を付け加えました。

簡単な編集ではなく、デジタルな“ごまかし”を施すことでうまく行きました。でもこれで、オリジナル・ヴァージョンの精神が、より良い形でよみがえったのです。

聞いてください。
「The Law of Maximum Distress」meets「The Mincer」

いえ、今ならこちらのタイトルの方が適当かもしれません。

「The Law of Self-inflicted Distress」(自らが招いた苦悩の法則)


#03 : 「Cadence and Cascad」

2019.01.28 公開


【コメント:日本語訳】
ケイデンスとカスケード 4シンガー・ヴァージョン
「Cadence and Cascade」

50周年記念のまだ3曲目ですが、暗黙のルールをすでに破ってしまいました。

事をシンプルに運ぶために、ここでは既存曲のみを披露し、新たなエディットやレコーディングは作らないつもりでした。

しかし「Cadence〜」の場合、果たしてどのヴァージョンを使うべきか、という難問が生じました。

キング・クリムゾンならではのことですが、同じバッキング・トラックに、4人のシンガーが歌をのせています。

過渡期を反映しているとも言えます。1969年にグレッグ・レイク、マイケル・ジャイルズ、イアン・マクドナルドが脱退したことで、1970年の『ポセイドンのめざめ』は、ロバート・フリップとピーター・シンフィールド二人によって作られました。
グレッグとマイケルはセッション・ミュージシャンとしてアルバムに参加していますが。

最初に聞こえてくるのはゴードン・ハスケルで、これがアルバムに収録されている“公式”ヴァージョン。

次がグレッグ・レイク。彼は『ポセイドン〜』の他の全曲を歌ってますが、「Cadence and Cascade」は歌っていないと思われていました。しかし、例によってアーカイヴはそれを否定し、彼とのセッションを残していました。間違いなく、バッキング・トラックに合わせて歌うグレッグの声です。しかし、最終的な歌入れというより、ガイド・ヴォーカルであった可能性は高いでしょう。

21年後の1991年、ロバートは『FRAME BY FRAME』ボックス・セット用に「Cadence〜」を歌わないかと、エイドリアン・ブリューに声をかけました。

そして最後に、忘れてはならない、現在のバンドで「Cadence〜」を歌うジャッコ・ジャクスジックです。

今回4人のシンガーを合体させて出来上がったのがこのニュー・エディットとなります。


#02 : 「The Terrifying – Tale of Thela Hun Ginjeet – [Live, Mixed, Philadelphia, Pa, July 30, 1982]」

2019.01.20 公開


【コメント:日本語訳】
テラ・ハン・ジンジートにまつわる恐ろしい話 – 語り:ロバート・フリップ〜語り:エイドリアン・ブリュー〜ライヴ:1982-07-30 マン・ミュージック・センター、フィラデルフィア、PA

「The Terrifying Tale of Thela Hun Ginjeet」は、ほぼ読んで字のごとく。

ロバート・フリップと働き始めた頃、彼が、この曲の中の、エイドリアン・ブリューのストリート・トークの由来を話してくれました。言うまでもなく、これは1981年にリリースされた『DISCIPLINE』の収録曲ですね。

その後、アーカイブを調査している際、ロバートが1981年に、まさにこの曲を解説している音声を発見しました。
おそらく、ニューヨークのワーナーブラザースを訪れ、アルバムを売るようハッパをかけた時、営業部長にでも話していたのでしょう。

それを今回使ってみました。

そして、もう一本カセットが出てきました。エイドリアンが、道端で絡まれた時のエピソードを話しています。それをスタジオ・ヴァージョンの原曲にナレーションとして加えました。

これはライヴでも使われていたので、3つの素材を合体させています。

最初にロバートが、なぜエイドリアンが町中に送り出されたのかを説明します。次にエイドリアンが、その町中で何が起きたかを語ります。そのまま曲へと流れ、ここでは、1982年のフィラデルフィア公演が使われています。

こうして3つ合わせて出来上がったのが「The Terrifying Tale of Thela Hun Ginjeet」です。もともと、2008年の短いキング・クリムゾン・ツアーの、ツアーボックス/オーディオ・ツアー・プログラム用に作られました。

それではお楽しみください。


#01 : 「21st Century Schizoid Man 1991 Radio Edit」

2019.01.13 公開


【コメント:日本語訳】
ようこそ! 私は「King Crimson 50」のプロデューサー、デイヴィッド・シングルトンです。

キング・クリムゾンの50周年を祝うため、1月13日より毎週1曲、レア曲や興味深い曲を計50曲リリースしていくことになりました。
1月13日はキング・クリムゾンの誕生日ですね。1969年のこの日、ロンドンのフラム・パレス・カフェで彼らはリハーサルを始めました。

記念すべき1曲目は、「21st Century Schizoid Man」。デビュー・アルバムのオープニング・ナンバーですからとても相応しいと思います。

このヴァージョンは、私自身が初めてバンドと関わったものでもあります。ロバート・フリップとの初仕事は、1991年の、『FRAME BY FRAME』ボックス・セットの制作でした。

このラジオ・エディットが生まれた時のことは今でも鮮明に覚えています。
当時のヴァージン・レーベルは、この曲のラジオ用ヴァージョンを希望していました。ボックス・セットを宣伝するためです。でも、ロバートはこう言い放ちました。「7分30秒以下なんてありえない」と。
すると、あの頃はまだキング・クリムゾン初心者だった私は、ついこんなことを口走ってしまいました。「そうですか? 最初に聞いた時、最初のヴァースも、次のヴァースも、その次のヴァースも最高だけど、途中のソロは何のためにあるのか理解できませんでした。だからショート・ヴァージョンも可能なのでは?」と。

ユーモアのセンス抜群なロバートは、それを聞いて、だったらその通りのエディットを作ってみなさいと言いました。

果たして今、満足できるヴァージョンかはわかりませんが、ここにお届けします。
1991年の、「21st Century Schizoid Man」ラジオ・エディット。