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2017.01.20

クリムゾン初来日音源のコレクターズクラブ8タイトル発売!

クリムゾンが1981年に初来日した貴重なライブ音源を初CD化!
新潟公演のみ欠落しているが、当時話題となり何回も追加公演が発表された浅草国際劇場公演はコンプリート。1月25日に計8タイトルの発売となります。

KING CRIMSON JAPAN TOUR 1981

■メンバー
ロバート・フリップ
エイドリアンン・ブリュー
トニー・レヴィン
ビル・ブラッフォード

■1981年ツアー全般の流れ
80’sクリムゾン最初のツアーとなった1981年音源で最も古いものは、同年 4月30日バースのモールス・クラブで観客が録音した音源。アルバム『ディシプリン』制作前、まだバンド名にキング・クリムゾンを掲げず、DISCIPLINE(ディシプリン)名義でやっていた時のもの。リハーサルを行いまとまった楽曲を始めてオーディエンスの前で披露した時の音源だ。このモールス・クラブを皮切りに5月16日ベルギー、ブリュッセルに至る15公演のウォームアップ・ツアーを決行。その後、アルバム『ディシプリン』のレコーディングを行い、アルバム発表時にはキング・クリムゾンとして活動するようになっていた。
アルバム発売に合わせたツアーの開始は10月5日、ウォームアップと同じくバースのモールス・クラブから始まり10月16日ドイツ・オッフェンバッハ、スタッドハレに至るイギリス・ヨーロッパ11公演。この後19日にスペインのTV番組に出演し、そのままカナダへ移動。10月22日トロント、エル・モカンボから12月1日のヴァンクーヴァー、コモドアー・シアター公演に至る計33公演の北米ツアーを行った。この北米ツアーはトロントからアメリカ東海岸を回り、中西部を経て11月後半から西海岸を回るスケジュールであった。
12月1日に北米ツアーを終えたクリムゾンはロサンゼルスに移動。12月4日金曜日にABCネットワークの週末のコメディ・プログラム「ABC FRIDAY’S」の音楽ゲストとして出演(2曲を演奏。当日の他の出演者は俳優の故・ピーター・フフォンダら)を経て日本へ上陸する。
キング・クリムゾンとしての初の日本ツアー(同時に初のアジア上陸でもあった)は12月9日の渋谷公会堂から12月18日浅草国際劇場に至る9公演が行われたことになっている。最終18日の前日、17日に当時のツアー・スケジュールを見ると新潟公演が行われたことになっているが、今回まとめて発売されるコレクターズ・クラブ’81年日本ツアー音源シリーズ中、唯一音源が欠落していること、17日も公演を行ったとすると12月12日からオフなしの連続7公演となり、実際このような過酷なスケジュールをバンドが容認したのかという疑問は残る。

■80’sクリムゾン・ツアーに関する一般的認知とその誤解
一般的に80’sクリムゾンのツアーは毎日似たようなセットリストで、アレンジ等もあまり変化がなく、凡庸と思われている。実際、この年のツアーはセットリストの変化は少ない(これは80’sクリムゾン全体に言える傾向)ただ、今回、’81年日本ツアー音源を独自企画として発売すること、加えてシンコーミュージック、DIG増刊ムック「キング・クリムゾン・ライヴ・イヤーズ1969-1984」制作のため1981年から1984年までの現在、コレクターズ・クラブ音源としてCDやダウンロードで入手可能な全公演を聴いた印象としては、この’81年ツアーは波乱万丈。’70年代の太陽と戦慄クリムゾンのインプロヴィゼーションとは異なるが、日々、細かいアレンジ変更、各メンバーによる思いつきのフレーズ投げ込み等が多発しており、公演によってはそれが原因となってパフォーマンスが荒れる場面も多々見られる。安定したパフォーマンスが多い、’82年、’84年ツアーとは異なる乱高下の激しいパフォーマンスが繰り広げられているのである。キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ音源も購入されているファンの皆さんにとっては、日々、安定のクリムゾンと日によって出っ張り引っ張りがあるクリムゾンどちらが興味深いかといえば、やはり後者かと。この日本ツアー音源聴き比べの楽しさ満載と言っていいだろう。

■その聴きどころは何処にあるのか?
ロバート・フリップ大先生とビル・ブルフォードは1972年からダブル・トリオが崩壊するまで約四半世紀に渡り一緒にやってきたわけだが、大先生、ブルフォードとよくこれだけの長い期間一緒にやってきたなぁと、強く思う。80’sクリムゾンにおいてもブルフォードはジョーカー的存在。この人、ほぼ毎日ドラミングが違います。この日本ツアー音源全8作品でもその唯我独尊ぶりは遺憾なく発揮され、パフォーマンスの質感を大きく左右する。これに翻弄されながらもバンドのグルーヴ感を固守しようとするトニー・レヴィンとの関係がまず抜群に面白い。80’sクリムゾンのロック感はこの人のベースに依るところが大きいと思うが、時にブルフォードの変則的なドラミングに翻弄されたり、逆にガチガチのロック・グルーヴを強く打ち出し、ブルフォードに付け入る隙を与えなかったり、この両者のステージ上の駆け引きはかなりスリリング。
キング・クリムゾン史上初のツイン・ギター編成になったこともあり、ロバート・フリップのソロ・パートにも日々、様々な試み、ニュアンスの違いが発見できる。
8公演を制覇するか、ピンポイントで聴くかは自由だが、複数公演を聴いてみようという方に対してのアドバイスは、この時点ではまだアルバム未収録の新曲だった「ニール&ジャック&ミー」、「マンハッタン」(翌’82年発表のアルバム『ビート』収録時には「ニューロティカ」に改題)に日々の違いがよく出ているということだ。特に「ニール&ジャック&ミー」は10月初旬のツアー開始時から新曲として演奏され始めたが、北米ツアー中盤の11月中旬あたりで一度アレンジが固まり、日本ツアー直前の北米ツアー終盤にはほぼ完成状態にあったものを日本ツアーで再び改良が始まり、リズム・セクションの試行錯誤、2本のギターのコンビネーションの改良等が日々行われ、この曲をチェックするだけでも十分に楽しめる。しかも、翌年発表のスタジオ・ヴァージョンとは微妙にアレンジが異なっているのだ。では、全8タイトルそれぞれの公演をチェックしていこう!

●1982年12月09日 東京 渋谷公会堂 IECP-30016 ¥3,241+税
「安定した演奏に見えて実は高度なプレイの応酬が光る、日本ツアー初日!」
キング・クリムゾン日本初上陸の初日。2カ月間のヨーロッパ、北米ツアーをこなした後、1981年最後のレグということもあり、演奏は非常に安定したものになっているし、北米ツアー後半あたりから頻繁となった。メンバー間で演奏中に様々なアイデアのやりとりが行われるスタイルがここでも踏襲され、良い雰囲気の中でスタートした。音源はこもりはあるがベース、ドラムも迫力のある音で録音されており、立体感も申し分ないステレオ・オーディエンス録音。ほぼ完全収録。会場での録音に慣れた人の手によるものなのだろう、音像は揺れないし、不用意なノイズもほぼ皆無。細かいニュアンスまで伝わる質の高い音源だ。全体破綻なく、整合感の高いパフォーマンスを繰り広げるが、演奏はけっして丁寧ではなく、いたるところで誰かが思いついたアイデアをそのまま音にして演奏に投げ込んでくるのをしっかり受け止め破綻させずに演奏を続けていくスリリングな場面が多々見られる。81年ツアーの中の基準値ともいえるパフォーマンス。コレクターズ・クラブ未体験の方は、81ジャパン・ツアーをこれから追体験してみようと思う方はまずはこの初日から入ることを強くお勧めします。

●1982年12月10日 名古屋 名古屋市公会堂 IECP-30017 ¥3,241+税
「初日、最終日と並ぶ安定した音質ながら、全8公演中最も謎多き音源!」
この音源も会場でのオーディエンス録音としては大変よく録れている。ただ、これは音源自体アナログ・ブートレグから板起こしのように思われる。静かな部分でゴロゴロというトレース・ノイズのようなものが聴こえるのだ。ディシプリンは、元の音源に忠実に作業をしたということだが、1980年代の初頭という時代を考えると良質な会場録音のため、その点がちょっと残念。トレース・ノイズは演奏が始まるとほとんど気にならない状態なので試聴感は悪くはないが。初日の渋谷公会堂の雰囲気が良かったこともあり、高揚感があったのだろう、この日もパフォーマンスの質は良好。どちらかというと落ち着いた感じもあった前日よりも部分的にテンションが高い部分も見られ、好調は維持。「シェルタリング・スカイ」後半のフリップ、キーボード・ソロの音色が前日と明らかに違うなど細かい差異は多々あり、音質も安定しているため聴き比べには向く音源だ。どういう経緯でディシプリンへたどり着いたかが謎なミステリー音源。

●1982年12月12日 大阪 大阪万博ホール IECP-30018 ¥2,315+税
「個人技の出来不出来が激しい荒ぶるクリムゾンその1。 疾風怒濤編」
大阪2デイズの初日。音質は前2公演と比べると一段落ちる。この時代の会場カセット録音では不可避のこもりはやや高め。ディシプリンは本音源をカセットと記しているが、その元音源が編集されている形跡があり、ブートCDからのリッピングかと思われる。会場は、今は存在しない万博公園内にあった万博ホール。キャパシティは1500人の会場だったそうだ。前日移動日で大阪入りする前京都を観光しリフレッシュ、時差ボケも克服し、好調モードにあったのだろう、テンションは高め。引き攣るような疾走感自体、前2公演とは異なる「テラ・ハン~」はかなり荒っぽくドライヴ感満点。続く「レッド」の沈みこむヘヴィネスが光る。要するにブルフォードの気分が前ノリ・モードにあったことによるわけだが、全体的にこの日のパフォーマンスは荒めながら、疾走感・迫力はあり。総収録時間80分をわずかに越えるものだったため1枚に収めるため非演奏部を編集短縮している。

●1982年12月13日 大阪 大阪毎日ホール IECP-30019 ¥2,315+税
「個人技の出来不出来が激しい荒ぶるクリムゾンその2。 鬼神降臨編」
今回の1981年ジャパン・ツアー音源中では最も音質的には恵まれていない公演。ちょっとステージから遠いこともあり、音質のこもりが前日より顕著になっている。会場はこれも現在は存在しない毎日ホール。録音者がステージから若干遠い分、会場の雰囲気は良く分かるようになっており、大阪のファン、ノリがよろしい。この客層に煽られたか、ブルフォードはこの日も前ノリ気味で全体に疾走感を与えている。ジャパン・ツアー中に再びアレンジがマイナー・チェンジとなった「ニール&ジャック~」は終盤のフリップのソロがこの日、妙にドラマティックで、他公演の同曲とは印象が異なっている。妙に盛り上がったまま終盤を迎えたこともあり、この日の「太陽と戦慄 パート2」はエイドリアンがリフを崩しにかかり、ユニークな印象を持つテイクとなった。これもCD1枚に収めるため曲間編集が行われている。

●1982年12月14日 東京 浅草国際劇場 IECP-30020 ¥2,315+税
「トニー・レヴィンの逆襲! トップ・スピード突入! 怒涛の浅草3デイズ初日!」
80’sクリムゾンのロック・グルーヴはトニー・レヴィンによるところが大きい。ギタリスト達が変拍子に走ろうと、勝手気ままなドラマーがその日の気分でリズムに手を加えようが、瞬時に対応。的確なロック・グルーヴを作り上げている。前4公演はブルフォードに押され気味というか、どこかベースラインを確認しながら修正を施している印象が強かったレヴィンが、自ら回答を導き出した感が強く、ベースがグルーヴを引っ張り始めている。大阪のアップダウンが激しい荒た印象から一転、太いグルーヴ裏打ちされた演奏へ変化の兆しあり。この辺り聴き比べると非常に興味深い! 直球型の「マンハッタン」のスピード感と思いグルーヴ感は強烈。音質的にはこれも大阪2デイズに近くクリアーさには欠けるが演奏には確実に変化が見られる。この音源も日本盤CDでは1枚に収めるため冒頭と曲間が編集されている。

●1982年12月15日 東京 浅草国際劇場 IECP-30021 ¥2,315+税
「レヴィン好調! グルーヴ感全開! ハイテンション、怒涛の浅草3デイズ中日!」
音源の音質としては大阪2公演、浅草初日と横並び。こもり気味でわずかな歪みが気になるが、前日の浅草初日よりはステージ近い雰囲気で迫力は前日よりこちらが上。ただ、一般のファンが録音したものなのだろう。客電が落ちてからテープレコーダーをセットしようとしているため、最初の数分間、手持ちのノイズがガサガサと発生して気になる。研究モードから脱したレヴィンはこの日も好調。オープニングの「ディシプリン」から前半公演のものとは異なるユニークなベースラインが光る。毎日細かい変化見られた「ニール&ジャック~」の前半部のグルーヴを保ちながらメロディアスな散文的ベースラインを完成させるなど要チェックポイント多数。「レッド」はこの日本ツアー全公演通じて最もヘヴィでダークな印象。浅草3連チャンは最終日に比べ話題にならないが、演奏が微妙に変化していく様を見事に記録しており、研究アイテムとしては重要な公演だったと思う。CD1枚に収めるための曲間編集あり。

●1982年12月16日 東京 浅草国際劇場 IECP-30022 ¥2,315+税
「上げ潮モードに乗りブリューも絶好調モード! リズム・セクション激突!怒涛の浅草3デイズ最終!」
テープレコーダー自体をむき出しにせず袋かバッグの中に入れたまま録音されたものと思われる。それゆえのこもりが発生。アンビエント感も薄め。また、録音者は友人と連れ立って見に来ていたのだろう、随所に会話も入っており、そういった意味ではリアル。 日本ツアーの始まりからベースラインのマイナー・チェンジを行い試行錯誤を繰り返していたレヴィンのプレイが前日あたりでかなり固まったことで新たな変化が生まれた浅草3デイズ3日目。グルーヴ感は見事!と拍手したくなる立派なものだし、ベースラインが整理されてことでブリューが歌いやすくなったこともあるのだろう、ヴォーカル・パートも安定したものに変化してきた。北米ツアー音源でもあまり感じることのなかったタイトでマッチョな印象のパフォーマンスはある意味貴重! 81年ジャパン・ツアー侮れません。本作もCD1枚収録のため曲間編集あり。

●1982年12月18日 東京 浅草国際劇場 IECP-30023 ¥3,241+税
「1981年クリムゾン最終公演! 80’sクリムゾン・サウンドここに完成す!」
2016年発売のボックス・セット『オン(アンド・オフ)ザ・ロード』にも収録されているためこのシリーズ中唯一の既発音源となるが、ボックス収録時に海外で曲間編集を行い、ディスク1枚に収める編集が行われた。日本盤CDは逆に、カットされた曲間もそのまま使ったためCD2枚組となった。音質は初日の渋谷公会堂公演と並ぶクリアーな録音。若干のこもりと歪みは生じるが、コレクターズ・クラブ音源の中でも良質なほうに入るもの。パフォーマンスとしてはこの年の最終公演ということもあり、無事にツアーを終えられる安堵感と最後ゆえの気負いが複雑に絡み合い良い感じで緊張感のある演奏。日本ツアー中にも随時修正していたパートもピタリと収まりテンションの高い演奏を体験できる。とはいえ、「テラ・ハン~」の中間部にまたしても手を加えたり変化とドラマが信条の81年ツアーらしいスタイルが最後まで貫かれている。この最終公演と初日の渋谷公会堂を比べるというのも81年ツアーの特徴を掴む上では有効かと思う。

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